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平成30年度宮城県女医会定時総会~60周年記念~

平成30年度宮城県女医会定時総会活動報告


宮城県女医会広報担当 樋渡 奈奈子

 平成30年7月7日(土)16:30より仙台国際ホテルに於いて宮城県女医会定時総会が開催されました(会員数108のうち出席者27名、委任状提出者39名で会は成立)。
 担当役員(総務担当 安藤由紀会員、吉田玲子会員)による開会宣言の後、岩﨑惠美子会長より今期の活動報告並びに今後も市民向けの女性健康医療相談事業の継続・強化並びに会員のニーズに応じた細やかな活動を一歩一歩積み重ねていきたい旨の挨拶があり、その後、永井豊子会員が議長に選出され、総会議事を開始しました。平成28年度事業報告・同好会報告・(公社)日本女医会報告の後、平成28年度収入支出・監査報告に移りましたが一部に不一致があり、後日再監査の予定となりました。また、今回初めてとなる役員選挙結果につき、村口喜代選挙管理委員会委員長より報告があり、全ての役員が承認されました。後日開催の新役員による役員会で会長が互選される予定です。その後、会務分担決定となります。尚、選挙管理委員会の運営・会則等に関し、質問・提言があり、今後の検討事項となりました。
 その後、第27回宮城県女医会研究助成金授与式に移り、東北大学麻酔科の大西詠子氏、東北大学大学院医学研究科臨床生理学分野の佐藤遥氏の二名に授与されました。今後の成果が期待され、研究成果につき、後日例会で報告予定です。
 次に東北大学病院病後児保育室「星の子ルーム」代表である東北大学教室委員会委員長の田中直樹氏へ岩﨑会長より、寄附金が授与されました。

 今年は当会発足60周年記念の年であり、記念行事として『宮城県女医会60年のあゆみ』と題して、現在も現役院長として活躍されておられる菅野喜與会員より、当会会員として長きにわたる活動と元気の秘訣とを、元会長の山本蒔子会員よりこれまでの宮城県女医会活動の歴史についてご講演頂きました。
 その後特別講演として葛飾赤十字病院院長の三石 知佐子先生に「キャリアプランと無意識の偏見」の演題でご講演頂きました。先生は1982年に札幌医科大学ご卒業後、同年東京女子医科大学小児科に入局され、1993年に同学で医学博士号を取得され、1994年に講師となられ、1999年に現在の病院副院長となられ、2006年より現職に就任されておられます。ご専門は小児保健、ハイリスク児のフォローアップで共著書『35歳からの“おおらか”妊娠・出産』や『知っておきたい赤ちゃんと子どもの病気とホームケア』を監修され、小児科専門医、子どもの心相談医として活躍されておられます。ご講演の初めに『潜りては 七夕飾り また潜る』の一句をご披露され、七夕の日の総会へのお心配りと医療以外の引き出しの豊かさに感銘いたしました。派遣先の病院で尊敬する医師との出会いから、現在の葛飾赤十字病院に勤務され、院長から思いもかけず後任を託され、悩んだ後に院長として活躍されているお姿に感銘を覚えました。特に産科主体である病院で女性の小児科専門医として院長職を務められておられるのは先生の強力なリーダーシップとこれまでのひとかたならぬご努力の賜物と感じました。中でも、最近は女性の産婦人科医師の増加が目覚ましい中、産科医は少ないという問題点がクローズアップされていますが、先生の病院では子育て中の女性医師も産科医師として活躍されていると伺い、女性の視点からの支援に裏打ちされているからこそ、また、男性医師とのしなやかな関係が構築されているからこその結果と感じました。小児科学会の男女共同参画推進の仕事に携わられ、そして赤十字病院長の意識改革に着手され・・・と院長職を全うされるには人知れないご苦労が多々あったかと思いますが、にこやかにユーモアを交えてお話しされるお姿に感銘いたしました。先生の益々のご活躍をお祈り申し上げます。尚、先生から予め頂きましたご講演要旨を別途掲載させて頂きます。

講演要旨

キャリアプランと無意識の偏見(Unconscious Bias)

講師 葛飾赤十字産院
三石 知左子 先生

 医学生向けの情報誌「ドクタラーゼ」で2013年に実施した「男女共同参加・女性医師支援に関する医学生アンケート」の質問の一つは「あなたは将来、管理職(教授・部長など)になりたいと思いますか?」であった。男子学生は「思う」、「思わない」、「どちらとも言えない」と回答は分散した。一方女子学生の6割以上が「思わない」と回答していた。  無意識の偏見(Unconscious Bias)は2000年前後から着目されてきた概念である。例えば「女子は数学が苦手である」「女性は気遣いが得意」といった先入観である。このような思い込みを周囲が持つ中で育てられ刷り込みを受けた女子は当然のことのようにそう思い込み、その結果将来設計の幅が非常に狭められてしまう。  また、シンポジウムなどの講演者選考者に女性が入った場合女性講演者の割合が上昇するという「選ぶ側に女性がいなければ女性が選ばれにくい」という事実がある。  全医師数に占める女性医師数が20%を超え医学生の3人に1人が女性である現在、女性医師の幅広い活躍なくして日本の医療の将来は厳しいと考える。これからを担う若手医師のキャリア形成のために誰もが自覚することなく持つ「無意識の偏見」を理解しその影響や弊害を押えていく必要がある。

 ご講演後、記念撮影となり、会場を楓の間より、桜の間に移して発足60周年記念のお祝いを兼ねた懇親会となりました。
 日本女医会会長代理・塚田篤子元副会長、宮城県医師会会長代理・板橋隆三副会長、仙台市医師会長代理・小針瑞男副会長よりご来賓祝辞を賜り、来賓紹介に続き、宮城県医師会前常任理・元副会長の髙橋克子会員による乾杯の音頭で祝宴となりました。齋藤惠子日本女医会岩手支部長、田中直樹東北大学教室委員会委員長、佐藤遥研究助成金授与者の挨拶の後、恒例の同好会のよるアトラクション:合唱ボナ・ポル・サーノによるコーラス、ロザリーの会による詩の朗読、Joyヴィ-ネ(美音)によるオカリナ演奏があり、ホテル自慢の地元の食材を活かしたお料理に舌包みを打ちながら、楽しいひと時を過ごしました。最後に山口慶子会員によるピアノ演奏があり、ショパン作曲バラード第1番Op.23の音色に一同心奪われ、アンコールはお約束であるショパンの幻想即興曲Op.66でお開きとなりました。